お弁当の伏見様
製品ラインナップのリデザイン
ご要望
従来からあるお弁当のシリーズに新商品を追加するため、これを契機にパッケージのデザインを新しくしたい。あわせて、企業イメージをもう少し華やかなものとして、特別なシーンでのご利用も増やしたい。
ご提案のポイント
お弁当を開ける瞬間というのは、どのような場面でもワクワクする楽しいもの。そのときの心の盛り上がりをさらに引き立てるためのデザインをご提案しました。パッケージ以外のツールにも展開しやすいようにデザインをパターン化し、ショップカードや手提げ袋、POP、ポスター、そして店内装飾まで、さりげなくワンポイントで使用できるようにすることで、過剰ではない範囲で共通のイメージを感じてもらえるプランニングにいたしました。

伝統と新しさのバランスを保つ
伝統的なデザイン、たとえば古くから続く店構えはお客様に安心感や満足感を提供できます。さらに、もうひとつの要素を加えるとすれば、新しく変わり続けている姿勢、となりますが、伝統を生かしつつ、新しいことへの挑戦もアピールするのは、そのバランスが大切となります。例えば、ヨーロッパの街並みで考えてみますと、石造りの建物が続く中に鉄やガラスでできた異質な構造が適度な割合で現れることで、重さと軽さのちょうど良いバランスが生まれます。日本においても、古くからの木造の家屋に明るい色調のミニマルなデザインの織物をちょうど良いバランスで置くと、伝統と新しさを演出できます。
これまで長く続けてきたこと、高い品質を保ち続けていること、多くのファンがいらっしゃること、それらはすべて、そのままで美しいバランスを持っていますので、それらを「古いもの」として覆い隠して、新しいパッケージで覆ってしまうことはおすすめいたしません。今回のプランでは店舗全体の伝統的な美しさの中に置かれたときのパッケージの占める割合、包み紙を開くときの高揚感の演出、そしてお弁当を広げたときに、まわりにちらりと見える楽しさ。そのような視点からデザインをプランニングいたしました。

お弁当の中身と自在に呼応するデザインパターン
音にあわせてグラフィカルな図形を描き出すオーディオビジュアライザーのように、お弁当の中身にあわせて動き出しそうな図形を使用することで、お弁当の美味しさ、楽しさがパッケージの外に響き出す様子をイメージしています。また、包装を開ける楽しみ、食前の満足感を演出するだけでなく、他のお弁当シリーズへの横方向への伝播によって、日常的なシーンに始まって、特別な場面でのご利用まで、安心してお選びいただけるデザインにいたしました。
デザインパターンは実際のお弁当の盛り付けをベースに作られるため、今後の新規メニューへもデザインのフィーリングを維持したまま適用できます。また、パターンを社内で作り出すことのできる専用のアプリケーションもご提供できます。タッチまたはマウスで図形を動かして、基本デザインに基づいた新しいパターンを作り出すことで、社内の様々なツールに容易に展開できます。


親しみやすさは現在のお客様にあわせる
現在のお客様の層と、新規に開拓したいお客様の層で嗜好が異なると考えられる場合、デザインをどのような方向で展開するのが良いのでしょう。私たちのプランニングでは最初に現在のお客様に照準を合わせます。いまお買い求めいただいているお客様が親しみを感じることが最も重要になります。そのうえで、その範囲を少し拡張することを考えます。今回のプランニングでは、食材が響き出すグラフィカルなビジュアライザーをイメージしつつ、全体の雰囲気は和風の範囲を出ないものとしてデザインいたしました。
実際のお客様がどのようなデザインに親しみやすさを感じるかは、当たり前とも言えますが最も重要なポイントとなります。様々なパターンを考えたり試作をしてみることも大切です。たとえば、お弁当の実際の写真を包装紙に印刷することを考えてみます。または、お弁当の写真を手提げ袋に印刷してみることも考えてみます。次にアニメのキャラクターのようなデザインを印刷することを考えてみます。花柄を考えてみます。ストライプを考えてみます。寿司屋さんの湯呑のような包装を考えてみます。そのような試作からデザインを直接、生み出すわけではありませんが、デザインを生み出すための照準を絞るために利用することができます。